[在モロッコ日本大使館情報]モロッコ人による日本人女性に対する性的暴行及び窃盗の被害
在モロッコ日本大使館より、2020年1月29日にモロッコ人による日本人女性に対する性的暴行及び窃盗の被害があった旨の連絡がありました。
モロッコではよくきく手口です。
特に女性一人でモロッコに滞在される方はお気をつけください。
在モロッコ日本大使館からの報告の抜粋
モロッコ人男性に呼び寄せられ、単独でモロッコを訪れた邦人女性に対する性的暴行及び窃盗の被害が発生しましたので、ご連絡いたします。
特に、単独で旅行中又は旅行を計画されている女性は、警戒して下さい。モロッコにお住まいの皆様及び旅行者の皆様
邦人犯罪被害
発生日時:1月29日(水)夜
発生場所:マラケシュのアパートメント
被害手口:性的暴行及び窃盗
被害者:40代女性(単独)概要:
被害者は、2019年12月にモロッコを訪れた際に知り合ったメルズーガの砂漠近くにある(日本人観光客も多数訪れる)リヤドの従業員であったニックネーム ハッサン・ママ(HASSAN MAMA)(20代男性。以下「ハッサン」、現在、Hassan Morocco Tours勤務)から呼び寄せられ、2020年1月29日にマラケシュ空港から入国した。当初、被害者自身で滞在期間中の宿を予約していたが、渡航直前にハッサンから宿をすべてキャンセルするよう指示があり、航空券以外のお金は一切かからないと言われたため、指示に従った。
マラケシュ空港に到着すると、ハッサンが出迎え、友人と称する男性が運転する車でマラケシュ駅近くのアパートメントに連れて行かれた。到着後、ハッサンは被害者に対し、2泊分の宿泊費1、200DH及び空港送迎代200DHを要求した。被害者は、話が違うと思いながらも計1,400DHをハッサンに支払った。さらにハッサンは、食事代や酒代も要求し、被害者は約600DHを追加で支払った。メルズーガで出会った時の親切な印象とは全く違いその変貌ぶりに驚いたが、ハッサンは巧みな話術で女性の心を操るのが非常に上手く、言われるがままお金を支払い、連れていかれたアパートメントに宿泊した。同日夜、ハッサンから性的暴行を受けた。
1月30日、ハッサンが友人と会いに行くために外出した後、部屋に鍵をかけ、ハッサンが戻った後もドアを開けず閉じこもった。ハッサンはノックし続けていたが、諦めたのかどこかへ立ち去ってしまった。その後、アパートメントのオーナーと称する男性が現れ、日本にいる知人の仏語話者を介し全て説明したところ、親身になって相談にのってもらえた。オーナーによれば、ハッサンからは宿泊代を受け取っていないとのこと。被害者は、身の危険を感じたため、1月31日夜マラケシュを離れエッサウィラまでバスで移動した。
2月1日、ハッサンよりエッサウィラの宿近くに居るとの連絡があり、謝罪と返金をしたい、警察や大使館には言わないでほしい、その代わりに無料でモロッコをガイドする旨を言ってきた。行き先はオーナーしか知らないので、2人が繋がっているものと思われ恐怖を感じたが、被害者は、ハッサンが反省しているように思え、一部返金(約400DH)もあったこともあり、ハッサンを宿に招き入れた。ハッサンは、病気の家族がいてお金が必要などと同情を誘い、図々しくも数日間被害者が宿泊する宿に滞在した。その間、性的暴行はなかったものの、被害者の財布からお金が抜き取られ、2月6日ハッサンは友人へ会いに行くと出て行ったきり、戻らなかった。大使館からのコメント:
フレンドリーに話しかけてくるモロッコ人と知り合いになることは、モロッコを観光する上での魅力の一つではあります。しかし、特に砂漠やメディナなどの観光地では、お金や性的暴行を目的に、ガイドと称したり、日本に友人や親戚がいる、日本語を勉強したいなどと言葉巧みに近づいてきて女性の恋心を利用しようとするモロッコ人が少なからず存在します。中には、日本人女性と知り合いになったり、結婚することで、モロッコを出国出来ると考えているモロッコ人もおり、SNS等を駆使して日本人女性を招へい人や身元保証人として利用するケースもあります。
現地やSNS等を介して知り合ったモロッコ人を信用した結果、思わぬ被害に遭ったり、都合よく利用されたりすることは珍しくなく、特にモロッコでの単独行動の場合、性的暴行以外にも窃盗、詐欺等他の犯罪被害に遭うリスクも高まります。
なお、最近の調査によれば、モロッコは、女性が単独で旅行するリスクの高さのランキングにおいて、世界で8位に位置しており、世界の一部の国では、女性の単独での旅行はしないよう強く勧めています。また、特に夜間にリスクが高まるとのことです。
モロッコを旅行中または計画中の方におかれましては、素性のわからないモロッコ人を安易に信用しない、特に女性は単独で行動しない、人気のない場所に同行しない等、常に警戒を怠らず自身の安全確保に努めて下さい。「疑う」ことは、自らの身を守るために忘れてはいけない最も基本的な心構えです。当国における犯罪の多くは、親切を装って私たちの警戒心を解くところから始まります。ここは日本ではないことを改めて意識するよう心がけてください。
また、砂漠や山岳地帯等の人里離れた地域に限らずモロッコ国内を旅行する際は、信頼できる旅行業者や当局公認のガイドを利用するよう強くお勧めいたします。