クスクス戦争勃発とクスクスの食べ方
イスラム教では金曜日が休日とされており、お昼にモスクでは集団礼拝が行われます。
またモロッコでは、金曜日はクスクスの日となっており、家族揃ってランチにクスクスを食べるのが習慣となっています。
クスクスとは小麦粉から作る粒状のもので、世界最小パスタとも言われています。
今回このクスクスを巡って、クスクス戦争が勃発するかもしれません!?
クスクス戦争勃発!?
2018年12月25日、アルジェリアがマグリブ諸国を代表して、2019年3月にクスクスをユネスコの世界無形遺産リストに提出すると発表しました。
マグリブ諸国とは、主にチュニジア、アルジェリア、モロッコなど北アフリカ諸国を指します。
この発表に、「クスクスはモロッコが起源です!」と暗に反発したのがモロッコ政府のスポークスマンです。
1月には、モロッコ、アルジェリア、チュニジアの食品専門家が、ユネスコの無形文化遺産リストにクスクスを追加するという共同提案について議論しているとのことですので、ここで同意が得られていないままアルジェリアが発表したのか、モロッコ政府のスポークスマンが個人意見として言ったのかはわかりませんが、今後、実際に世界遺産に登録されることになるとすれば、なかなか厄介なことになるかもしれません。
クスクスの食べ方
ところでみなさんはクスクスの食べ方を知っていますか?
わたしはモロッコに来るまでクスクス料理が嫌いでしでた。
ところがモロッコでクスクス料理を食べ、とても美味しくて感動したのです。
その美味しさの理由には、味だけでなく食べ方にもありました。
日本でクスクス料理を食べるとき、クスクス(粒状のパスタ)を白米部分、つまり主食のように感じていたので、クスクスを残さず食べていました。
粒状のパスタ部分、これ、別に美味しくないんですよね。
でももったいないからと全部食べていたのですが、モロッコ人は食べません。
クスクスの上に煮込んだ野菜やチキンをのせ、さらに煮汁をかけたのがクスクス料理なわけですが、モロッコ人が主に食べるのは野菜やチキン。
クスクス部分は、野菜やチキンと一緒に、煮汁がかかっている部分のみをスープにつけるパンのごとく付け合わせ的に食べます。
あくまでも付け合わせです。
主食ではないのです。日本でいう白米ではないのです。
モロッコ人のように、野菜やチキン中心に煮汁がかかっている部分をちょっとずつ食べるとクスクス料理がとても美味しい。
もちろんこれは、モロッコのクスクス料理がそもそも美味しいというのもあるのですが、食べ方を変えたら、さらに美味しいものとなったのです。
クスクス料理が苦手な方もモロッコに来たら、この食べ方でクスクスを楽しんでみてはいかがでしょうか。