学校に通っている子がたったの37%!? モロッコ教育の現状

モロッコ移住

モロッコのNational Observatory for Human Development (ONDH)が2012年から2017年までのモロッコの教育状況についての報告書を発行しました。

 

識字率はアップ

報告によると、15〜24歳のモロッコの若者の識字率は2017年には94%となりました。2012年の88%から6%の増加がみられました。

また、女性よりも男性の方が識字率が高かったそうです。Maghreb Arab Press(MAP)の発表によると、男性の識字率は95.6%であるのに対し、女性の識字率は91.3%でした。
しかしながら男女間の格差は、2012年の7.2ポイントから2017年には4.3ポイントに縮小しているとのことです。

 

 

農村地域と都市部との違い

今回の報告で、農村部の若者は都市部よりも識字率が低いことがわかりました。

また識字率は、生活水準が高いと上がっていることもわかりました。
貧困層では86%の識字率のところ、富裕層では98%の識字率となっているとのことです。

モロッコでは、6歳〜15歳の10年間が権利教育となっていますが、2017年時点で25歳以上のモロッコ人が学校に通っていたのは平均4.7年でした。男女別にみると、男性は5.8歳、女性は3.8歳となっています。
さらに、農村地域と都市部とで比較すると、農村地域では2.2年、都市部では6.1年となりました。

 

3.3%の子どもが学校に行ったことがない

報告書はまた、2017年には6〜15歳の92%が学校に通っているが、5%の子どもは学校を中退しているとも報告しています。
さらには、3%の子どもは、一度も学校に行ったことがないそうです。

2012年から2017年にかけて、小学校レベルの6〜11歳の就学率は、2012年の91%から2017年には93%に上昇。
中等学校レベルの12〜14歳の就学率は50%から61%に上昇。
15〜17歳の第3教育レベルの就学率は、29%から37%に上昇したとのことです。

 

女子よりも男子の就学率が高い

年齢とともに男子の就学率と女子の就学率の差が開くこともわかりました。
2017年の男女間の格差は、6〜11歳で0.5%、12〜14歳で4.5%、15〜17歳で8.1%でした。

 

モロッコ教育省は

  • 2018から2019の学年度が始まる前に、中退率を減らすために教育システムを改革すること
  • 2024年から2025年までに農村部の小学校における中退率を6%から1%に減らすこと
  • 2024年から2025年の学年度に、農村部と都市部の両方で、中等学校の中退率を12%から3%に引き下げること

を目指すとしています。

 

暮らしている中での実感

実際にモロッコに暮らしてみていると、男子のタイプは主に

  • 実家に居ついて、特に働きもせずプラプラしている
  • 読み書きそろばんができるようになったら、実家の家業(お店や農業)のお手伝いをする
  • しっかり学んで海外を目指す

という3通りに分けられるように思います。

一方、女子は

  • 早々に結婚して家庭に入る
  • しっかり学んで海外を目指す

という2通りが多いように思います。

 

モロッコはまだまだコネ社会。
いくら勉強してもコネがなければ良い会社に入れません。
また、モロッコ人のパスポートではほとんどの海外へビザなしでは行けないため、海外へ行くという選択肢について現実的に考える家庭が多くもありません。

結局、勉強してもしかたがない、という考えが蔓延してしまっているようにも感じます。
就学率だけでなく、その後の働き場所についてもモロッコは変わっていかなければならない状況です。

 

データ部分参照:MOROCOO WORLD NEWS

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