私立学校への依存高まる…モロッコの教育事情

05/12/2018モロッコ移住

モロッコに子連れで移住、またはモロッコで出産して子育てをするとなると気になるのが教育です。
モロッコの教育事情についてご紹介します。

 

教育の制度

モロッコは、6歳〜15歳が「権利教育」とされています。義務教育ではありません。
小学校は7歳~12歳、中学校は13歳~15歳となっています。
就学前教育の対象年齢は0歳~5歳で私立のみ。日本の保育園のような公立はありません。

9月始まりの2期制で、1学期が9月~翌1月、2学期は2月~6月、7月~8月は夏休みです。
一般的に子どもたちはお昼休みに一度帰宅する旧フランス式です。
小さな子どもは親が送り迎えをするか、スクールバスで送り迎えをしてもらいます。
親が送り迎えする場合は、1日に家と学校間を4往復することになります。

公立と私立ではカリキュラムが大きく異なり、私立では就学前から学校に通っているのであれば3歳から、小学校から通うのであれば小学校1年生から正則アラビア語の他にフランス語を学び始めます。
公立では小学校1年生から正則アラビア語を、小学校3年生からフランス語を学び始めます。

小学校でも進級試験があり、落第すると上に進むことができません。

大学の授業はフランス語で進められます。

 

モロッコの識字率

モロッコの識字率は1982年には30.3%だったのが、2015年には71.7%と大幅にアップしています。
2009年は56.1%、2011年は67.1%、2015年には71.7%とかなりの速さで識字率が上がっています。
日本の識字率が99%ということを考えるとまだまだ低い数字ではありますが、それでもかなりの飛躍率と言えると思います。

参照:ワールド・データ・アトラス「モロッコ – 成人(15+)の識字率」

 

私立学校への依存の高まり

モロッコでは公立校は無料ですが、近年、モロッコ人の収入から考えると高額であるにも関わらず、私立学校へ通わせる親が増えています。

高等弁務官(HCP)によると、家計に占める教育費の割合は2001年には1.6%だったところ、2014年には3.7%に急上昇しているそうです。マラケシュ、ラバト、フェズなどの主要都市では、教育費はさらに増加しており、4.4%に達しているとのこと。
また、2011年には私立学校の小学校の生徒の割合はわずか4.4%でしたが、2017年には16.7%と増加。
この背景には、公立高校へのインフラ、教育の質への不信感があると言います。
といっても、私立に入れればハイレベルな教育が受けられるとは限らず、学校によって教育の質、教師のレベルに差があるのが実情です。

過去10年間で私立学校の生徒数が増加したのに対し、価格は低下するどころか上がっています。
モロッコの物価は過去10年間で15%のインフレ率を経験していますが、教育関連費用は44%も増加。
具体的には、就学前の料金は2007年から2017年にかけて53%増加、小学校、高校、大学の料金は27%増加しているそうです。

 

日本の教育モデルを学ぶ

2018年11月20日、妹のラバット・プリンセス・ララ・ハスナは日本で日本の官僚らと会い、コンピュータアプリケーションやゲームなどの技術ツールに関する協力の可能性や両国間の学生と教師の交流プログラムについて話し合ったとされています。

モロッコが国をあげて、教育に力を入れてきているということを感じます。

 

勉強熱心なモロッコ人

11月20〜23日にルワンダで開催されたWorldSkills Kigali Africa 2018。
このイベントでは、ガーナ、ケニア、リベリア、モロッコ、ウガンダ、ルワンダの子どもたちが参加し、メカトロニクス、電気配線、溶接、配管、レンガ造り、調理、美容の7つの分野で競争しました。
そこでモロッコの学生が金メダルを獲得!

モロッコに観光で訪れていた時は、モロッコ人が勉強好き、ということは微塵も感じなかったのですが、モロッコでモロッコ人の大学生に会うと、みんな自分が何をしたいか何になりたいかについてしっかりとした考えをもち、志高く勉強している子が多いことに驚かされます。

一方、経済的に恵まれていない子どもたちは、読み書きそろばんができると学校をやめてしまい家の手伝いをするか、またはその辺りで遊んで大人になってしまう子が多いのも現実です。

できるだけ平等に、子どもたちが教育を受けられる体制になってくれることを願ってやみません。

参考 : Morocco World News

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログ モロッコ情報へ
にほんブログ村

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村