巨大迷路フェズのメディナをガイドなしで歩く方法
1982年に世界遺産にも登録されているフェズのメディナ。
モロッコ最初のイスラム王朝であるイドリス朝の都となった世界最大の旧市街(メディナ)です。
網目のように張り巡らされた小道は9,000以上あると言われており、巨大迷路に例えられることもしばしば。
実際、2、3度足を踏み入れただけでは、ひとりでその全貌を掴むことは不可能でしょう。
それゆえガイドを雇うのがベターではありますが、ひとりでなんとか観光したい!という方のために、ガイドなしでフェズのメディナを歩く方法を伝授いたします。
2時間DH250〜300が相場です。
ガイドなしで歩く方法
目印はブージュルード門
![](https://aboutmorocco.net/wp-content/uploads/2018/10/babboujeloud.png)
フェズで一番有名な門と言っても差し支えないであろう「ブージュールド門」。
まず、ここからスタートするとわかりやすいです。
迷ったら、ここに戻りましょう。
どちらに進んでいいかわからなくなったら、メディナでのんびり座っているおじさんたちに
「Where is Blue Gate?」
または
「Where is Bab Boujloud ?」
と訪ねましょう。
観光地のメディナにいるお店の人たちであれば、英語が通じます。
けれど、メディナの奥に入りすぎると、そこは地元民のためのメディナです。
英語は通じなくなります!
2つの通りを歩く
フェズのメディナの世界遺産の主な構成要素となる
・ブー・ジュルード門
・旧市街の路地とアーチ
・タンネリ
・ブー・イナーニーヤ・マドラサ
・アッタリーン・マドラサ
・カラウィーン・モスク
・ザーウィア・ムーレイ・イドリースの入り口
・フンドゥク・ネジャリンの内部
についてはブージュルード門から始まる
- タラア・セギーラ通り(赤の線の部分)
- タラア・ケビーラ通り(黄色の線の部分)
の2つの通りの延長線上に続いています。
まずは、タラア・セギーラ通り(赤の線の部分)を歩いて行きましょう。
ブー・イナーニーヤ・マドラサ
を通り、突き当たりまで進みます。
ただひたすらまっすぐです。
突き当たりに到着し、そこから右方向に進むと、
- イスや机を作っているネジャリン広場
- ザーウィア・ムーレイ・イドリースの入り口
- アッタリーン・マドラサ
に行き着きます。
方向音痴の人はここで先ほどのタラア・セギーラ通りとタラア・ケビーラ通りが交差する突き当たりまで引き返し、次は、革製品やラグがの店が並ぶタラア・ケビーラ通りの観光へ向かった方がいいかもしれません。
なぜなら、
- タンネリ
- カラウィーン・モスク
はそこからさらに先に進んだところにありますが、ちょっとわかりにくいのです。
タンネリ
![](https://aboutmorocco.net/wp-content/uploads/2018/12/tanneri-2.png)
タンネリはなめし革工場のことです。
タラア・セギーラ通りを進み、突き当たり近くまで行くと、必ず「タンネリを見に行くか?」と声をかけてくるモロッコ人が出てきます。
タンネリの工場はいくつかあり、それぞれのタンネリ工場に観光客を連れて行くことで彼らはチップをもらっています。
工場からもらうチップのみで満足するモロッコ人もいれば、送ってやったのだからチップを寄越せと言ってくるモロッコ人もいます。
タンネリ関連で声をかけてくるモロッコ人は基本タンネリしか案内をしないので、チップDH5〜10ほどを渡せばさっさと去っていきます。
タンネリを案内した後もタンネリのお店の出口で待っていて、その後も案内しようとついてくる場合もあります。
その場合は、チップを必ず請求されます。
カラウィーン・モスク
カラウィーンモスクは、またかなりわかりにくいです。
迷っていると小さなこどもたちがわらわらと寄ってきて、どこに行きたいか聞いてくるでしょう。
小さいながら、英語が上手です。
「無料で連れて行ってあげるよ!」
と言っても信じては行けません。
必ず、送り届けた後に、チップを要求してきます。
このあたりは、あまり英語ができるモロッコ人もいません。
運よく見つけることができれば教えてもらえますが、ここは迷うことを避けるためにこどもたちに送ってもらうのが懸命かもしれません。
おそらく2〜3人まとまってついてくるでしょう。
ひとりDH1〜5もあげれば良いと思います。
カラウィーンモスクまで行ったら、タラア・セギーラ通りとタラア・ケビーラ通りが交差する突き当たりまで引き返しましょう。
しかしすでに、カラウィーンモスクに到着した頃には、タラア・セギーラ通りとタラア・ケビーラ通りが交差する突き当たりがわからなくなっているかもしれません。
そうなったら、
「Blue Gate?」
または
「Bab Boujloud ?」
と聞いて行きましょう!
なお、カラウィーンモスクはムスリム以外は入ることができません。
またお祈りの時間以外は閉まっているので中を見ることはできません。
気をつけたいこと
案内は基本、有料です!
こども、おとなに関係なく、「案内してあげるよ!」と寄ってきた人たちはチップを目当てにしています。
こちらが「お金ないよ」と断っても、「いいよ、いいよ」と言ってくることも多いでしょう。
ハッキリ(とてもハッキリ。ちょっとやそっとじゃ諦めてくれないかもしれません)断りましょう。
チップを渡したとしても、DH20〜DH100( 約240円〜1200円)ほどなので、気持ちよくチップを渡せるのであればお願いするのもありですが、人によっては法外な金額を言ってくることも。
法外な金額を言ってきた場合は、まずは、人が多い場所にすぐに移動してください。
こういったことを避けるために、できれば公式ガイドを雇った方が安全、安心です。
荷馬車に注意
フェズのメディナ内は非常に狭いので車が通ることができません。
その代わり、荷物をたくさん載せた荷馬車やリヤカーを引いたおじさんがひっきりなしに行き来しています。
「アンダック!アンダック!」(気を付けて!気を付けて!)
と声を張り上げながらやってきます。
狭い道なので、きちんと避けないとリヤカーや荷物が体に当たって大怪我をしかねません。
荷馬車やリヤカーが来たら、すぐに道の端に寄ってください。
夕方以降は歩かない
タンネリ、カラウィーンモスクまで迷わず行けたとしてもブージュルード門を出発し、ブージュルード門まで戻ってくるまで2時間〜3時間かかります。
途中、バブーシュや陶器などを見ていたら、あっという間に時間は過ぎます。
メディナの奥の方は、17時くらいには閉まりはじめます。
閉まってしまうとかなりひっそりと閑散とした道になります。
道を尋ねようにも尋ねることもできません。
メディナは11時くらいから開き始めます。
なるべく明るいうちから見学しましょう。
荷物はしっかり持つ
メディナ内は非常に道が狭く混んでいます。
引ったくりや窃盗に遭いやすい環境です。
スマホ、カメラ、財布などの貴重品はしっかり盗られないように目立たないように持ってください。
観光客が観ることの多い、タラア・セギーラ通りとタラア・ケビーラ通り延長上にあるメディナは、本当にフェズのメディナのごく一部です。
さらに奥には、さらにさらにさらに広大なメディナが広がっています。
フェズで育ったこどもたちは、迷うことなくスラスラ移動するのには、毎回、びっくりさせられます。